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熱海市の救急体制について

1) 熱海市の救急体制について

1-1)救急医療とその対応について
1-2)全国の救急医療の現状

2)熱海の救急医療の現況について

3)市民の行う応急手当の有用性について

Q助(全国版救急受診アプリ)について

(※ 各箇所の図はクリック等で拡大表示されます。)

1-1)救急医療とその対応について

熱海市の救急体制(一次救急、二次救急)について

 熱海市には単独の一次救急(初期救急)体制はありません.(一次救急体制とは、入院治療の必要がなく外来で対処しうる帰宅可能な患者への対応を念頭に、市町村の責務で整備される.主に内科、外科を診療科目とするが、住民の要望の高まりと必要性から小児科を加える自治体もある.)
 二次救急輪番制に参加している病院は、国際医療福祉大熱海病院、熱海所記念病院 の二施設で、二次救急と一次救急を一緒に診療しています。そのため、救急車で搬入される傷病者と自力で来院される方が混在し、長くお待たせするような状況も出ています。これは、熱海の救急医療体制のために、生じる問題で、ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきたいと思います。
 小児科(小児内科)に関しては、国際医療福祉大熱海病院が夜間、休日の全てを担当しています.(小児外科、小児整形外科、小児脳神経外科については輪番制です)

救急への対応について

 救急当番日には、一施設のみが輪番制で、一次を含めた全ての救急に責任を負う体制です.
 熱海は、山と海に囲まれ、半ば孤立した地域であり、救急当番病院が救急受け入れを断った場合には、入院が不要なケースについても、救急車は峠を超えて、医療圏外にまで搬送しなくてはなりません.(順天堂静岡病院、静岡医療センター、岡村記念病院、沼津市立病院、三島総合病院、三島中央病院などへ搬入されることが多い。)
 このような状況を避けるため、救急当番日には、救急当番病院は、“専門外である”という理由や、“満床である”という理由で救急の受け入れを断らず、外来診療は行ないます.外来診療を行ったうえで、専門的な診断や、入院治療が必要な場合には、医療圏外を含め、他の病院に依頼する体制をとっております。
 診療時間外(日曜祭日、夜間)には、熱海市内で受療可能な診療科は限られる事(疾患によっては専門外の医師が診療にあたる)をご理解戴きたく思います。
 熱海消防署救急隊は、万難を排して病院確保に協力し、二次救急輪番制参加病院(国際医療福祉大熱海病院、熱海所記念病院)は入院対応等について協力するよう努力しております。
 熱海市泉地区については、地勢の関係で、湯河原救急に救急対応を依頼していますが、搬入先は熱海市内の救急医療機関です。

三次救急について

 循環器疾患、重複外傷、重症熱傷などを中心として、順天堂静岡病院(救命救急センター)、沼津市立病院(救命救急センター)、静岡医療センター、岡村記念病院(循環器専門病院)などへ搬入されることが多い。

*医療圏について

1次保険医療圏:日常的な医療(健康相談、住民の健康管理、疾病予防及び日常的疾病や外傷等の診断、治療)が提供される区域で、かかりつけ医療機関を中心とし、市町村の責任で運用される。熱海市が1次医療圏を形成する。
2次保険医療圏:比較的専門性がある入院を含む医療の提供を想定して決められる区域.
県内は8地域の2次保健医療圏が定められている。熱海伊東保健医療圏は熱海市と伊東市で構成されているが、実際は市単位で運用されている。
3次保険医療圏:都道府県が単位で特殊・高度・専門的な医療需要に対応する.静岡県全域を対象とします。

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1-2)全国の救急医療の現状

 救急要請が急増する一方、救急隊の数は微増にとどまり、需要のギャップの拡大から救急業務は多忙を極め、崩壊寸前です.救急有料化という方向性も示され(検討中)、一部の消防本部は、119通報時に通報内容をトリアージ(選別)して対応しています.目的は救命率の向上で、軽症者の不搬送といった切捨てではありません.
 政府の行った医療制度改革により、医師不足が発生し、地方の医療機関は特に深刻な状況に追い込まれているのが現状です.(医療機関の救急受け入れ拒否、救急指定返納、常勤医師の減少に伴う救急体制の維持困難、救急医療のコンビニ化など、救急医療現場は破綻寸前なのです).

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入院を要する救急医療(第二次救急医療)

 入院治療を必要とする重症患者に対応する機関.都道府県が定めた医療圏域(二次医療圏)ごとに整備するため、市町村の垣根を越えた整備が必要.小児救急医療へ対応するため、通常の二次救急(内科、外科、脳外科等)とは別に小児二次救急医療の体制を独自に組む医療圏もある.肺炎、脳梗塞など.中規模救急病院 が主に対応する。
 病院群輪番制:救急指定病院が、救急患者のたらい回しをしないため、当番病院を定めて休日、夜間の救急医療に当たる方式。

救命救急医療(第三次救急医療)

 二次救急医療では対応できない複数診療科にわたる特に高度な処置が必要、または重篤な患者への対応機関.心筋梗塞、多発外傷、重症熱傷など.
救命救急センター(各都道府県に1ヶ所以上、人口100万人に一ヶ所)286施設
高度救命救急センター 38施設

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2)熱海市の救急医療の現況について

 熱海所記念病院のデーターですが、時間外に 二次救急輪番制病院では、一次の軽症患者と二次の救急車で搬入される患者が、重複して来院し、混雑しています.二次救急の入院率は40.9% 一次救急の入院率は10.5%です。

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 居住地別搬送者数(2016年 熱海救急及び湯河原救急)ですが、居住地が県内、県外、外国籍は、観光客と考えられ、救急搬送人員数のうち、およそ30%は 観光客が占めます.不慣れな土地での傷病ですからやむを得ない面もありますが、観光客の救急利用は軽症者が多いようです。

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 次の図は、2017年3,197件の搬送事例の救急搬送先を示しています。

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 熱海市内の救急輪番制病院に80% 2,681件が搬送されています。救急輪番制病院では、当然のことながら、入院傷病者数は担当した日数に準じて、按分されています。
 次に目立つのは、313件と不搬送(救急隊がガイドラインに沿って、判断し、搬送を行わなかった)が目立ちますが、死亡と判定されて不搬送となったもの68件、他は、本人の搬送拒否118件や、軽症であるため、搬送の必要がないと判断された傷病者62件などです。

不搬送 313
死亡 68
搬送拒否 118
軽症搬送不要 62
その他 65


 医療圏外の搬送先は、静岡県内の医療圏外の病院に130件が搬送され、神奈川県が20件ありますが、順天堂静岡病院、静岡医療センターなどで、三次救急搬送先として利用され、二次救急病院からの転送も含んでいます。

 ドクターヘリ搬送 43件 は三次救急病院への搬送です。(搬送先病院は、順天堂静岡病院が多いようです。二次救急病院からのドクターヘリによる転送もあります。)


 年代別搬送数ですが、全国での高齢者の占める率は 56.7 % ですが、 H27年 熱海は 70 % で高齢者がやはり多い。高齢者は中等症以上が多く、年齢が若くなるにつれ、軽症例が多くなる傾向にあります。(新生児は2例のみです)

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3)市民の行う応急手当の有用性について

 応急手当の有用性を示した表です、心肺停止が対象ですから、心肺蘇生法(応急手当)を市民が行ったか否かですが、 救命率が応急手当の有無で大きく異なります。
 一般市民が目撃した心原生心肺機能停止者数は 25,255 人 うち、一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数 13,679 人 うち 1か月後の生存者は2,106 人(15.4 %)、1か月後社会復帰者は1,476 人(10.8 %)。
 一方、一般市民が心肺蘇生を実施しなかった傷病者数 11,576 人でみると、1か月後の生存者は 976 人(8.4 %)、1か月後社会復帰者は 496 人(4.2%) と、心肺蘇生を実施した場合の 約1/2 で、その差は明らかです。
 さらに、 除細動を実施できた傷病者数 1,030 人についてみると、 1か月生存者 519 人(50.4 %)、1か月後社会復帰者は 446 人(43.3 %)。と素晴らしい救命率で,応急手当の重要さが示されています。

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一般市民が目撃した心原性心肺機能停止のうち、
一般市民が心肺蘇生実施の有無別生存率 (2014年)

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Q助 - 全国版救急受診アプリについて

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全国版救急受診アプリ Q助とは

 住民の緊急度判定を支援し、利用できる医療機関や受診手段の情報を提供するため、緊急度判定プロトコルver.2(家庭自己判断 [PDF])をもとに作成された、国の総務省消防庁が提供しているアプリ(ケーション)です。

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 その後、医療機関の検索(隣県の情報も閲覧できるように、厚生労働省の「医療情報ネット」にリンク)や、受診手段の検索(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の「全国タクシーガイド」にリンク)を行うことができます。

ダウンロード

【スマートフォンアプリ】
iPhone(アイフォーン)の方はこちら
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iPhoneではない方はこちら
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どちらかわからない、または、とりあえず使いたい方;
(Web対応)

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Q助についての問い合わせはこちらへ

総務省消防庁
【問い合わせメールアドレス】
 kyukyukikaku-kyukyurenkei@soumu.go.jp
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 消防庁 https;//www.fdma.go.jp 総務省消防庁 Q助ページ